
2007 豊田国際体操競技大会
2007.12.8~9 愛知県・スカイホール豊田
2004年を最後に休止していた中日カップの後継大会として、豊田国際体操競技大会が愛知県豊田市にて開催された。
今大会では種目別限定、しかもその分を多国からのスペシャリストを招き、レベルの高い競技会へと仕上げた。今回使用の体育館も落成したばかり、そして初めて体操競技を生観戦する観客が多く、フレッシュな大会として生まれ変わったこの豊田国際体操競技大会。会場は、今や世界の体操界で共通語となった「ガンバ」のかけ声が響き渡っていた。
怪我からの復帰となった 水鳥 寿志 と 冨田 洋之 は、まだまだ万全ではないものの順調な復調ぶりをみせた。いよいよ北京が間近になり、アテネ組はそれぞれが怪我との戦いになっている。日本の良さは、美しさとチームバランスである。突出したスペシャリストは少ないが、それぞれがオールマイティな強さを持っている。水鳥 や 冨田 が今大会万全ではなくとも、その代わりを 桑原 俊 や 中瀬 達也 が務めることができる。
桑原 は平行棒で優勝、中瀬 は跳馬、つり輪3位の成績を収めた。
また 水鳥 も、エース 富田 の不調をカバーできる頼れる存在に成長している。今大会も本調子ではないものの鉄棒では優勝、床2位、つり輪3位の成績を収め、好調ぶりをアピールした。
女子はエースの 鶴見 虹子 が平均台で3位に入賞。12年ぶりのオリンピック団体出場に向け、小さなエースはこれから世界とどれだけ渡り合えるか楽しみである。
種目別大会として生まれ変わった今大会、以前よりも多くの国から見ごたえのある選手が出場した。
男子では、世界選手権あん馬で2位の クリスチャン・ベルキ(ハンガリー)、同3位の ルイス・スミス (イギリス) や、つり輪アテネ金の デイモステニス・タンパコス(ギリシャ) や世界選手権連続メダル獲得の ユーリ・ファンヘルデル(オランダ) が参加し、競技終了後も特別演技を披露し、会場を沸かせた。
女子では、2005年の世界選手権個人総合優勝の チェルシー・メンメル (USA) や2007年世界選手権個人2位の ステリアナ・ニストル (ROM) などが参加し、レベルの高い演技を見せた。しかし長く体操を見てきたものにとって感慨深かったのは、ドイツの オクサナ・チュソビチナ 選手だろう。


現在は結婚もし子供もいるが、年齢は32才と女子選手では異例の年齢。
旧ソ連ジュニア選手として初来日をしたのが1990年、15才の年。1992年バルセロナ五輪にはCISメンバーとして出場し、その後はウズベキスタン選手として活躍を続ける。しかし子供の病気治療がきっかけでドイツに渡ることになる。
日本で開かれた大会にも何度も出場しており、前身の中日カップにも1991年に参加している。脚力が強く、長年にわたり跳馬のスペシャリストとして金メダルを獲得してきた。今回も跳馬で優勝、肉体的衰えを感じさせないその活躍は、人間の身体能力の可能性について大いに考えさせられるものだった。
今大会に中国とロシアが参加していなかったのが残念だったが、世界的に規模が縮小されつつある体操界にとって、この大会が新しい起爆剤となってくれることが望まれるところだ。
進化し続ける体操競技は、難度、採点を厳密にしていくことで対応されてきた。
しかしながら、それが専門的になりすぎれば、一般の観る者にもその理解力が求められ、現在の世界的な体操の不人気さの一因にもなってしまった。気軽に観れる、万人向けのスポーツではなくなってしまったのである。観る者を置き去りにしてしまっては、競技として発展はありえない。どこかで観る者にも歩み寄らねばならない必要がある。
今大会では、専門的になりすぎる競技内容について、ソウル五輪メダリストの 池谷 幸雄 氏によるライブ解説が取り入れられ、初心者にもわかり易い配慮がなされていた。近年の日本では度々取り入れられているが、初心者にとって競技を理解することは興味を持たせるきっかけにもなる。
「体操日本」は再びその力を取り戻したが、その人気は必ずしも比例しているとは言えなかった。今、次につなげる一歩を歩みだす時にさしかかっている。
<Text/Photo MIWA MORI>

























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