2004 中日カップ名古屋国際体操競技大会
2004.12.4~5 愛知県名古屋市・レインボーホール
2004年、日本のスポーツは躍進目覚しい年となった。体操においても、アテネオリンピックで男子が28年ぶりに団体の金メダルを獲得。明け方の放送にかじりついていた人も多いだろう。アテネ後は金メダリスト選手たちの度重なるメディアへの登場や、新しいファン層の獲得による観客数の増加、そして全日本の試合において天皇皇后両陛下によるご観戦と、その注目度を飛躍的に伸ばした一年となった。
今年の中日カップは、そのアテネオリンピックを彷彿させる団体メンバー全員の参加を実現させ、世界七カ国による力と技の競演を繰り広げることとなった。
ベラルーシからは、男子選手デニス・サベンコフ、ロシアからは女子2選手、アンナ・パブロワ、ナタリア・ジガンシナが参加。
パブロワはアテネで個人総合4位、種目別跳馬で銅メダルという成績を収め、女子参加者中トップの成績で期待されたが、二種目目の段違い平行棒で一度ならず二度の落下、その後最終種目床でも手をつくなどミスを重ね、7位と精彩を欠いた。オリンピック後は緊張感からの開放の為か少なからず体の緩みを感じさせるものであるが、連戦続きのパブロワにも残念ながらそれを感じさせる結果となった。
ジガンシナも平均台での不調がたたり、個人総合最下位の9位。2001年世界選手権個人総合2位という実績を持ちながらもここ近年は怪我に悩まされ実力を発揮できない状態が続いている。
前年は当時世界チャンピオンのホルキナが優勝を飾り、大会を大いに盛り上げたが、ホルキナが正式に引退を表明した現在、かわりにチームを引っ張る存在として両選手の働きが重要となる。種目別ではパブロワが跳馬と床で優勝、ジガンシナが段違い平行棒でそれぞれ優勝を飾り面目を保ったが、今後のチームの行方を心配せずにはいられない結果でもあった。
アンナ・パブロワ RUS
男子個人総合表彰
男子では、まさに日本選手の独壇場。アテネ銀メダリストの韓国の金大恩の参加はあったものの、その他諸外国の有力選手の参加がなかったため、日本選手のためのような試合運びとなった。
ベラルーシのサベンコフは最終の鉄棒以外はまずまずの演技を披露、個人総合6位。1位から5位を日本が独占したことを考えれば、この順位は決して悪くない。もちろん外国勢ではトップの成績。現在21才、ヨーロッパ選手権では個人総合3位入賞を果たしている。
個人総合では、男子で冨田が史上初の中日カップ個人総合三連覇、女子ではルーマニアの新鋭ニストールが初出場初優勝。
ニストールはジュニア選手ながらの勢いのある演技でベテラン選手の失敗の間をかいくぐり、一番高い表彰台に上がった。経験不足からかルーマニアのお家芸である平均台で失敗する荒削りな部分もあったが、まだ15才である。未完成さは期待するに十分である。
男子は、あわただしかったこのシーズンを、最後まで緊張感を持続させることのできた選手が表彰台に上がったと言っていい。今季復調した塚原は2位、安定性のあった水鳥が3位。
優勝した冨田の演技に至っては、アテネでの優勝を決めたあの鉄棒の演技のように、プレッシャーをものともしない精神面の強さ、完成度の高さ、そして美しさがあり、現在の体操日本の底力を見せてくれた。独特の飄々とした横顔には、既に王者の風格さえある。
「35回ある大会での初の三連覇は素直に嬉しいと思う」
「淡々と」語る姿、これが彼のスタイルだ。
寡黙な日本のエースは、これからも日本を引っ張ってくれるだろう。
<Text/Photo MIWA MORI>




















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